オトナの事情。
あとは本人の同意を、というところだろう。
「…俺は、まあ、今付き合っている人がいる訳でもないですし…。ただ、グループの方に影響が出てしまうと、困りますけど。」
とは言ってみるが、社長のことだ。
人気急上昇中の俺たちのグループにとっても、話題性があるのは良いことだ、ぐらいに思ってるんだろう。
狭間ルナは、何を言うか。
『別に、私達の意見なんか聞かなくったって、もう答は出てますよね?構いませんよ。サクッとデートでもしてきます?』
なんて強気な。
率直な感想は、それだった。
コイツ、本当に初めてか?
普段から枕営業でもしてんじゃねえの?
多分、その場にいた俺以外の人も、その態度に少なからず驚いていた。