オトナの事情。





「…え?」




聞き返せば、悠二は悲しそうに笑う。





「2人は付き合ってるのに ルナちゃんの前でこんなこと言うのもアレだけどさ…俺たちは、こんな歳で人気、出ちゃったから。多分、これから先もしばらく…結婚なんて出来ないよ。」





いつだったか、2人でそんな話をしたことがあったのを思い出す。




「だからさ、すごいラッキーなことだと思うよ。若いうちに、こんなに綺麗なルナちゃんと、ウェディングの写真だけでも残せるなんてさ。」






悠二達と俺らとでは、抱えている事情が違う。




でも。



確かに悠二の言う通り…たとえ結ばれないことが分かっていても、思い出だけ残すくらい、許されるかもしれない。




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