オトナの事情。





『はい、ユキ君あーん!』



「いや、みかんくらい自分で剥けるし」



『なに!私が剥いたみかんは食えないって言うの!』


「言ってねえよ」





隣でわーわー騒いでうるさいので、仕方なく口を開けば、ルナは嬉しそうに俺の口にみかんを放り込む。




『おいしい?』


「…ん。」


『んふふー。』




その返事に満足したらしいルナは、俺の肩にコテんと頭を預けた。








「…何かあったの?」



コタツの中でそっと手を握れば、ルナは驚いたような顔をする。




もうコイツの行動パターンは大体読めてるんだ。


こんな風に甘えてくるのはいつだって…何か言いたいことがある時。


< 129 / 184 >

この作品をシェア

pagetop