オトナの事情。
『はい、ユキ君あーん!』
「いや、みかんくらい自分で剥けるし」
『なに!私が剥いたみかんは食えないって言うの!』
「言ってねえよ」
隣でわーわー騒いでうるさいので、仕方なく口を開けば、ルナは嬉しそうに俺の口にみかんを放り込む。
『おいしい?』
「…ん。」
『んふふー。』
その返事に満足したらしいルナは、俺の肩にコテんと頭を預けた。
「…何かあったの?」
コタツの中でそっと手を握れば、ルナは驚いたような顔をする。
もうコイツの行動パターンは大体読めてるんだ。
こんな風に甘えてくるのはいつだって…何か言いたいことがある時。