オトナの事情。




そして今、俺は、狭間と書かれた玄関の前にいる。



あの後結局、結婚なんていう大口を叩いてしまったプロデューサーは狭間の突拍子も無い発言に反対することもできず、完全に狭間のペースで何もかも決まってしまった。







『どうぞー』



呑気にドアを開け、いい歳の男を躊躇いなく家に上げる。


…コイツ、気が強いどころの騒ぎではない。頭、おかしいだろ。




「おい、ちょっと!そんな簡単に同棲とか決めちゃって本当に良かったのか…
……?!」




話しかけながらもリビングに入ると、その光景に、言いたかったことも何もかもブッとんだ。




『ん?あ、汚くてすみません。潔癖ですか?』



「いや、まあ綺麗好きだけど潔癖ってほどでは…ってそうじゃなくて!これ…!」



思わずまた狭間のペースに巻き込まれそうになったが、綺麗とか汚いとかそういう問題じゃなくて。


…いや、確かに部屋は汚いんだけど。



そうじゃない。





『あ、これ?私このポスター気に入ってるんですよー!』





都内高級タワーマンション、最上階。

東京の摩天楼が見下ろせる大きなバルコニーに面したリビングには、俺たちBLUE、5人のポスターが、デカデカと掲げてあった。



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