オトナの事情。






「…皆には、先に言っておくけど。」





なんだかんだと誰よりも俺たちのことを応援してくれているメンバーに、これ以上嘘はつけないな、と思ったんだ。





「俺とルナは…なんていうか。色々複雑だから。」







さっきのおふざけモードから一転して、一気に皆が俺に集中するのが分かった。





「本番は、無いんだ。これが、最初で最後だよ。…俺はね。」







じゃあ、留守番頼むよ、なんて言って、逃げるように楽屋を出た。





あー、くそ。




自分で言って、自分が苦しい。


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