オトナの事情。
「…!」
くそ、やられた。
そういえばコイツ、元々BLUEのファンだって公言していたじゃないか。
製作発表の時も、BLUEが主題歌に主演のドラマでの女優デビューが嬉しい、なんて言っていたのを、今になって思い出す。
そうか、お前、最初からそのつもりで…。
「…帰る。」
『へ?やっぱり嫌になりました?』
「嫌も何も…たとえ共演者でもファンと同棲なんて、他のファンがどう思うと『あ、大丈夫ですよ』」
人の言葉を遮って、満面の笑みでこう言う。
『私、ユウジのファンなんで。』
別にヒロユキ君なんかと同棲なんてしてもドキドキしないし…
なんて言われたら、もう、何も言い返せない。