オトナの事情。
「…気付いてやれなくて、ごめん。」
悠二がポツリとそう言った。
「いや、俺の方こそ、言わなくてごめん。…事情があまりにも複雑でさ。」
「ユキが謝ることでもないよ。…誰も、悪くない。」
隼人さんが、正しかった。
「失礼します、スタンバイお願いします!」
スタッフさんに声をかけられ、移動する。
運の悪いことに、今日はゼクシィの新CMのお披露目。
関係の無い質問はおやめください、なんて言ったって、簡単に俺らの話題に持って行けるだろう。