オトナの事情。
もう、頭にきちゃう、なんて言って手で覆った顔は、自分でキスしたくせに真っ赤で。
またそれも、かわいいんだ。
御察しの通り、俺はルナにゾッコンで。
何をやられてもかわいくて仕方ないから、なんでも許してしまう。
だからルナには、一生敵わないだろうな。
ピンポン、とインターホンの鳴る音がすれば、ルナはまた玄関に身体を向き直して、嬉しそうに来客を出迎える。
『はーい、いらっしゃい!』
「お邪魔しまーす!おーう、るーなちゃんかっわいい~!」
「すげえー!広い!え、めっちゃ広い!」
「ルナちゃんこれ、ちょっとだけどお酒ね。」
さっきまで甘い雰囲気だった玄関も、アラサー男が4人も集えば、一気にむさ苦しくなる。
「あれ?ユキまだ靴履いてんの?結構前に入ってったよね?」
あ、ヤベエ。
そう思った時にはもう遅く。
『ねえ!聞いてよもう!ユキ君がね、甘ユキでエロユキでバカユキなの!だからまだ玄関にいるの!』
「ちょ、おい、黙れ、ルナ」
ルナは、メンバーに弱みを握られることの重大さを分かってない。