オトナの事情。
んー…
ああ、朝か?
なんか、ずいぶん久しぶりにぐっすり眠れた気がするな…。
いつもとは違って和室で、井草の良い匂いと、ほんのり香るシャンプーの匂いと、あたたかくて柔らかい……柔らかい…
ん?待てよ?
なんで和室?
てか俺が抱いてる柔らかいコレはなんだ?
………誰だっけ、コレ。
『…んー?あ…ユキ君起きたの?おはよう。』
「おう、おはよ……」
あー、そっか、俺昨日から狭間ルナと同棲して…
「いや、だからってなんで同じ布団で寝てんだよ?!」
あー!一気に目が覚めた。
驚いて布団から飛び退く俺を見て、狭間はキョトンとした顔をする。
『なんでも何も…うち、布団コレしかないしね。むしろユキ君が人の家に転がり込んできたんじゃん!ツベコベ言うなよ!』
あー腹立つ!なんて言って、あいつはリビングへと行ってしまった。
あいつ、朝からこんななのかよ…。
とりあえずあとで社長に連絡して、もう一回考え直すように頼もう。
なんて考えながらも、布団を畳んでリビングへ行く。