オトナの事情。
『ユウジおはよう~!ユキ君預かり始めて、1日目の朝だよ!
…あ!一緒の布団で寝たけど、やましい事は何もないからね!私はいつもユウジらぶだよ!』
「…何やってんの」
リビングでは、狭間がBLUEのポスターに話しかけていた。
『毎朝ユウジに挨拶するのが日課なの!いいでしょほっといて!』
「…お前、やっぱりただのファン。」
『そうですただのファンですー。』
一応会話の途中なのに、喋りながらどこか違う部屋に行ってしまう。
来たばかりのこの家でどうすれば良いのかもよく分からずに、昨日と同じソファに座って、適当にテレビを付けた。
チャンネルを回しても、どこも朝のニュース。
ふと時計を確認すると、まだ8:30だった。オフにしては早起きしたらしい。
…もしかしたら、あいつのこと、起こしちゃったかな。
昨夜いつまで起きていたのかは分からないが、あいつが布団に入ってきた頃にはもう俺は熟睡してたのだから、本当はもう少し寝ていたかったかもしれない。