オトナの事情。






『ユウジおはよう~!ユキ君預かり始めて、1日目の朝だよ!
…あ!一緒の布団で寝たけど、やましい事は何もないからね!私はいつもユウジらぶだよ!』




「…何やってんの」




リビングでは、狭間がBLUEのポスターに話しかけていた。




『毎朝ユウジに挨拶するのが日課なの!いいでしょほっといて!』



「…お前、やっぱりただのファン。」



『そうですただのファンですー。』





一応会話の途中なのに、喋りながらどこか違う部屋に行ってしまう。




来たばかりのこの家でどうすれば良いのかもよく分からずに、昨日と同じソファに座って、適当にテレビを付けた。




チャンネルを回しても、どこも朝のニュース。
ふと時計を確認すると、まだ8:30だった。オフにしては早起きしたらしい。


…もしかしたら、あいつのこと、起こしちゃったかな。

昨夜いつまで起きていたのかは分からないが、あいつが布団に入ってきた頃にはもう俺は熟睡してたのだから、本当はもう少し寝ていたかったかもしれない。


< 20 / 184 >

この作品をシェア

pagetop