オトナの事情。





「…じゃあお言葉に甘えます。」


『はい!どうぞ!んふふっ。』




まだ少ししか一緒にいないけど、こいつ、本当によく笑うんだよな。





「いただきます。」


『召し上がれ!』





「…ん、美味しい…料理できるんだ?」


『そりゃあ未来の旦那のために?』


「なるほど。」


『…あ、そう言えばスウェット入った?良かった良かった。』


「あ、うん、ありがと。…ていうか。これ、メンズLだったよ?」




女子の家のメンズ服なんて、なんとなく触れてはいけないことなのかな、とも思いつつ聞いてみると、



『あはははは!バレた~!』



あっけらかんと笑っている。



「やっぱり元カレの服?」



そんな気にすることでもないのか、と核心を突くと、途端、キョトンとした顔で頭に大きくハテナを浮かべ、次の瞬間、笑い転げるんだ。


忙しいやつ。



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