オトナの事情。
「おいルナ!あまりにも散らかしすぎ!」
『えー?んー。』
朝食の片付けをしてキッチンから出ると、ソファに寝転んで雑誌を読むルナの姿があった。
潔癖、とまでは行かないが割と綺麗好きな俺は、どうしても雑誌なんかを床に散りばめておきたくはない。
その辺の本類をまとめてソファの前の机に置き、ルナの脱ぎ散らかしたものをランドリーに入れて、寝転がる巨体の足を半分どかしてソファに座る。
いいか、俺。
お前は家政婦じゃない。
誰もが羨むスターだろう。
それが20の小娘相手にこんなに甘くて良いのか。
…いや、良くないはずだ。
だけどもうこれは。
…ああ、やっぱり。
惚れた弱みだ。