オトナの事情。
『ユウジが「盛り過ぎ~」て笑って、ハヤトさんが「本当だよ!でもユキがそんな感情的になるとか珍しくね?」とかなんとか言うじゃん。
で、ケンちゃんは「あんなにかわええるーなと同居しとるくせに文句ばっかりとか…贅沢すぎやん…」とかブツブツ言ってるのに誰にも相手にされなくて、コンちゃんはスマホで私のこと調べ始める、BLUEの楽屋。
ああー!見える見える!』
「見えねえよ。」
くそ。俺はBLUEの中でどういう存在だと思われてんだ?
『じゃあ賭けるか?!』
「はあ?」
突然賭けるとか言い出し、ドヤ顔でポケットから取り出したのは。
「…30円」
『今日の夜帰って来たら、倍にして返しなさい!』
「いや、倍って60円だし…」
と、呆れたところでベルが鳴った。
マネージャーさんが到着したのだろう。
『じゃあ絶対だかんね!60円!』
そう言い残して玄関に向かってしまうので、俺は手のひらに乗った3枚の10円玉を仕方なくポケットに入れた。