オトナの事情。
「おーう、ユキ、大変だったな。」
ドラマ撮影を終えてからBLUEの楽屋に入ると、隼人さんにそう言われた。
メンバーはマネージャーに、今回のゴシップはヤラセだと聞いたらしい。
「まあ、それも仕事かな、とは思ってますよ…」
昨日の朝はまだ交際報道だったが、今朝にはもう、同棲しているというニュースに変わっていた。
「プロデューサーに、向坂さんはもう結婚してもいい歳ですよねーとか言われちゃったよ。」
「えー、何それ、めっちゃ耳痛いねんけど~」
なんて健ちゃんが言うと、俺より年上組が、本当だよーなんて騒いでいる。
「狭間ルナって、BLUEファンで有名ですよね?大丈夫なんすか?」
唯一冷静に俺の身を案じてくれるのは、1番年下のはずのコン。
「大丈夫も何も、あいつ悠二のファンだから…ユキ君と同棲とか別にドキドキしない~とか言って、布団並べて敷いて寝てるしね。」
チラッと悠二の方を見て自嘲気味に笑うと、メンバーは目を丸くする。