オトナの事情。
『あははっ!ユキ君らしいなぁ。』
笑いすぎてお腹が痛い、とほとんど泣きそうになりながら、ルナはその辺にあったお菓子の空き缶に60円を入れた。
『ユキ君がここにいる間に、あと幾ら払うことになるかねー。』
「え、また何か賭けんの?」
『もちろん!賭けるよ~。…あ、自信ない?』
「はあ?…もう負けないし。」
『おお~!言うねえ?』
「『……プッ、あははははっ』」
お互いの芝居掛かった物言いに、どちらからともなく笑ってしまう。
「…やっぱりユキ、最近よく笑うよな。」
移動中の車内でそう言ったのは、悠二だ。
「え、そう?」
もしそうだとしたら…
「やっぱりルナちゃん効果?」
ニヤニヤしながら振り返る隼人さん。