オトナの事情。
メンバーに一通り笑われたところで、ルナを楽屋に帰した。
「頼むから変なこと言うなよ?この後の収録。」
まだ笑い転げているので釘を刺せば、分かってる、なんて言うものの…こいつら絶対に分かってないな。
「せやけど、俺らが何も言わんでも、絶対司会者につっこまれるで?」
そう、問題はそれだ。
今日だけでなく、ドラマのために今後何本も2人でのプロモーションがある。
バラエティの司会を務める芸人さん達は、絶対に報道について何か言ってくるだろう。
「いつも通りクールにかわせよー?」
別に俺は大丈夫だよ、なんて周りにはこたえるが…正直なところ、自信がないんだ。
さっきだって必死に隠そうとしたのに、やっぱり、目の前にルナがいると普段の調子になってしまう。
元気で明るくて、あまりにも自由だけど、そそっかしくて…何かあったらどうしようって、気が気じゃないんだ。