オトナの事情。
「おー!るーな、めっちゃ大胆なこと言うな!好きになっちゃわんように気を付けてはるってことは、好きになりそうやんな?ちがう?」
『だって!BLUEのコウサカさんですよ?!今日本で1番カッコ良い男性ですもん!気を付けなきゃ~』
まあ私生活では、俺が翻弄されてますけどね、と心の中でツッコむ。
…別に、何も気を付けないで、好きになってくれれば良いのに、なんて。
ルナはスタジオをヒヤヒヤさせるような思わせぶりなコメントをした後、わざとらしく小声で司会者に言った。
『…まあ、私の中ではユウジさんが1番ですけどね。』
言いながらチラチラこっちを見るから、
「撮影中もずっとこんな感じなんですよ。気を付けるまでもなく、俺のことなんか見向きもしないですからね。」
ずっと黙っているのも変かと、適当に二人の会話に入れば、スタジオは大盛り上がりだ。
「休憩でーす」
スタッフからそう声が掛かって、やっと一旦セットから降りれる。
「…はあ。」
常に気を張っていて疲れてしまい、思わずため息がこぼれると、
『疲れちゃうよね~!あははっ』
同じように降りてきたルナが声をかけてきた。