オトナの事情。
声をかけてきたのは、コンちゃんだ。
「今日、ルナちゃん、来ますよね。」
どうも、うちのグループで1番良く気が回るのは、末っ子らしい。
「…まずいよな~。」
「てか言ってなかったんすか?」
「え、だって、俺から言うことじゃないよ…」
ルナには、悠二に彼女がいることを言っていない。
そして今日は、ドラマの番宣を兼ねて、歌の前振りにルナが来てくれることになっていた。
あいつはきっとうちの楽屋に、挨拶に来るだろう。
「…チャンスじゃないっすか。悠二さんから目を離す。」
コンちゃんは、ニヤニヤ笑うけど。
「…そうじゃないんだよなぁ~」
俺はため息を吐くしかない。