オトナの事情。
どうしたの?変だよ?なんて俺を覗き込んでいたが、勘の良いルナはすぐに気付いてしまう。
『あれ…?もしかして…』
悠二は今更困ったような顔をして、彼女を紹介する。
「あー、ルナちゃん……彼女なんだ。今日、誕生日だからさ、遊びにおいでって呼んでて。」
「はじめまして!るーなちゃん、よく雑誌でお見かけします…!ヒロユキ君の彼女さんだっていうのはゆうちゃんから聞いてます…!」
俺らの同棲がヤラセだとあまり広めないように、悠二が気を使って、報道は本当だと彼女には言ってくれていたんだろう。
ああ、どうしてこう、何もかも上手くいかないんだよ。
誰も、悪くないんだ。
なのにイライラしてしまう俺は、心が狭い。
とにかく、ルナを部屋から連れ出そうとした時、
『えええー?!そうなんですか!?』
ルナは、1ミリも動じずに、いつもどおりに驚いてみせる。