オトナの事情。
『ユキ君!!!』
午前4:00、ドタドタと足音をさせながら、ルナは飛び起きてきた。
『これ…!』
「…ルナのマネージャーさんに頼んで、本当は今日、オフにしてもらってたんだ。」
昨晩のうちに枕元に置いておいたのは、4:00にセットしたアラームと、ディズニーシーのチケット2枚。
「ルナ、お誕生日おめでとう。…早起きさせてごめん。」
どうしてもサプライズにしたくて、柄にもなく色々な人に根回しした。
昨日だって帰りが早かったわけじゃないルナを、勝手に4:00に起こして…怒るかな。
なんて、そんなのは杞憂だった。
『ありがとう~!!!!』
ほとんど泣きそうになりながら、思いっきり俺に飛び付く。
『ユキ君と2人でディズニーシー行くの?!』
「嫌だったら、別に良いけど。」
『嫌なわけないでしょう!行く行く行く!』
「じゃあ準備しておいで。」
『はーい!』