オトナの事情。





『すごいね!ビューンって落ちたよ!』



耳を付けたいと買い物をしたり、その間にもまたファンサしたり、やっとの思いでアトラクションに乗れた頃にはもうお昼。


開園ダッシュはしなかったけど、早く家を出たのは大正解だな。


Twitterは、俺たちがディズニーシーでデートをしているのがバレて大炎上していた。



だけど、繋いだ手をブンブンと振りながらスキップするルナが最高に可愛いから、今日のサプライズは大成功だろう。



「あ、チキン美味しいんだよね。食べる?」


『うん!』


「俺並ぶけど、その間ルナはどっか見に行ってもいいし…」



どこか1人で見て楽しいところは無かったか、と考えていると、




『…いい。ユキ君と一緒に並ぶ。』



ルナは急に腕を絡ませて、距離を縮めて来た。



「…ん。」



最近ルナは、こんな風に、突然甘えたような態度をとるんだ。

それが、素直に、嬉しい。



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