オトナの事情。
『あー…楽しかったなぁ。ユキ君、本当に 本当にありがとう。』
「…喜んでくれれば、何よりだよ。」
『んふふ。もうね、今までで最高の誕生日だよ!』
「えー?本当に?」
『私、嘘言わないよ!』
「ははっ…うん、知ってる。」
素直すぎて、嘘なんて言えないじゃないか。
いつだって純粋に世界を見ていて、どんな時だって楽しんで、幸せをいっぱい身にまとって、それをそこらじゅうに振りまいて…
周りを、パアッと明るくする。
本当は、眩しすぎて、気付かない振りしてたんだ。
初めてドラマの現場で会ったあの時から、俺はずっと、ルナの底抜けに明るい笑顔しか目に入っていなかった。
ずっと、ルナが、好きだった。