オトナの事情。
ご飯を食べて、たくさんお土産を買えば、もう帰らなくちゃいけない。
朝通った地球儀まで戻ると、最後に思い出を写真に残そうとするお客さんで溢れていた。
もちろんルナも撮りたいというので、ライトアップされて朝とは表情を変えた大きな地球儀によって、その人口池のへりに腰掛けた。
『んー!良い感じ!このユキ君すごくカッコ良いよ!』
「いや、カッコ良いも何も、暗くてシルエットしか見えないし」
『え、だからカッコ良いんじゃん!』
「うっわー、失礼な。」
『えへへ~』
俺に色々な注文を付けては色々な角度から写真を撮って、ルナなりに最後まで楽しんでいるらしい。
「…ルナ。」
でも俺は、ちゃんと自分の気持ちを伝えるまで、今日のデートは終われないんだ。