オトナの事情。
「4月にルナの家に行ってから、2ヶ月。毎日一緒にご飯食べて、遊んで、仕事して。今日もこうやってデートに誘って…きっと俺の気持ちなんてもう気付いてるだろうけど、やっぱり、ちゃんと言わせて欲しい。」
おもむろに手を取れば、ルナは、俺を映すその大きくて澄んだ瞳を揺らす。
俺は一日中繋いでいたその手にグッと力を込めて、深く息を吸った。
「俺……ルナのことが『ダメ』」
…え?
突然遮られたことに驚いて、俯向くルナを覗き込むと、
『ユキ君…それ以上、言っちゃ、ダメ……』
ルナは大粒の涙をポロポロとこぼしながら訳のわからないことを言って、
「…!」
俺に優しいキスを落とした。