彼と私のかくれんぼ
「そういえば、ユーコさんとやり取りしたときに、どんなイラストだったか聞かれたかも」
「だろ? んで、白石は図書室にいるって聞いたから急いで図書室行ったのに、お前いないんだもん」
「ユーコさんにメッセージ送った後に、お昼買いに行ったから」
「白石のことだから、あまり人通りのないところだろうなと思って探しまくったけど、中々見つからないし。そしたらさっき辻井に会って、白石と裏庭で会ったって言ってたから来てみたんだよ」
「ごめんなさい……」
なんだかとっても申し訳ない気持ちになって、謝罪の言葉が口からこぼれた。
「ま、いいけどな。久々にかくれんぼの鬼になった気分味わえたし」
「か、かくれんぼ?」
「うん」
そういって庄司くんがニカッと微笑む。
「カードの相手を探すのと、かくれんぼと同時進行でやってたのなんて、俺たちぐらいだって。それって結構レアで面白くない?」
庄司くんはすっごく楽しそうな声を上げる。
思えば彼は、いつも楽しそうにしていて、周りのみんなをいつも笑顔にするムードメーカーだ。
爽やかすぎて、地味な私にはまぶしすぎるけど。
正直今も、まぶしくて半分目を閉じそうになってしまうくらい。
でも、庄司くんのワクワクした笑顔を見ていると、なんだかこっちも楽しい気持ちになってくるから不思議。
「そうだね。楽しい体験ができたのかも」
「だろ?」
得意げな庄司くんの姿に私は笑いを堪えられなくなって、クスクスと声を上げると、ますます庄司くんは笑みを深くした。