君想ふ花
「ここ、俺が高校の時から来てる串カツ屋!
イタリアンとかじゃないけど、絶対ウマイから!」
ちょっと古い感じの店内で
おじさんとおばさんとアルバイトでやっている
個人経営のお店のようだった。
「こういうお店、来たことなかったんですけど、
地元の人しか知らないって感じでいいですね!」
「せやな、なつみこっち出身じゃないもんな。
これからいっぱい連れてったるわ!
ほら、これ食べてみー」
龍さんが選んでくれたお料理はどれも美味しくて、
本当の大阪の味を知れたような気がした。
「なあ、なつみ、彼氏ってどんな人なん?」
龍さんが唐突に私に聞いてくる。
「えっ、うーーーん。
大学の1つ上の先輩で、優しい人ですかねー。」
「優しいて、大体のやつは彼女には優しいやろ。(笑)
かっこいいん?」
「たしかに、そうですね(笑)
今まで考えたことなかったですけど、
好きな人に優しいって当たり前ですね。
うーん、顔はイケメンではないですよ。(笑)
でも笑うと笑顔がクシャッってするところが可愛いんです。」
「ふうーん。そうなんや。
ま、好きならしゃーないけど、
ちゃんとなつみのこと幸せにしてくれる人と付き合ってほしいな、俺は。
俺やったら絶対泣かせへんもん。」
そういってから龍さんはこっちを見ながら、
ニコっと笑って、おばちゃんに追加オーダーを頼んだ。
龍さん優しいなあ。
彼女となんで別れたんだろう?
聞いていいのかわからなかったが、
気になってしまった私は、聞いて見ることにした。