君想ふ花
「龍さんって、なんで彼女さんと別れたんですか?」
「うーーん。
お互い忙しくて、会えへんかって、それでかな。
きっと彼女はもっと会いたかったし、寂しかったんやと思う。」
そう話す龍さんはどこか寂しげで、
やっぱり聞くべきじゃなかったのかも知れないと思った。
「俺、彼女のことめちゃ好きやってん。
だから、最初は落ち込んだけど、
ここで働くようになってから、みんなといるのが楽しくてしゃーないんよね。
ほんといい職場やな!いつもありがとう!」
そういって、龍さんは私の頭をクシャッと撫でた。
「ですね!
私もみんなが大好きです!」
私はとっさに
恥ずかしさを紛らわそうと精いっぱい、答えた。