君想ふ花

宴会が始まると、みんな司会の俺の話を無視して
それぞれのテーブルで盛り上がっていた。

「合宿最高!盛り上がろうぜ!うぇーい!」

どこもかしこも酔っぱらいばっかりじゃねえか。笑
まあ、帰りのことを気にしなくて飲めるのは今日くらいだ。
多めに見よう。

「おい、翔太!もっと盛り上げろよ!!!」

一人で飲んでいると先輩から激が飛んできた。

いやいや、さっきまで人の話聞かずに飲んでたくせに・・・。
そう思いながらも、俺はこの日の一大イベントに取り掛かることにした。

「はい、聞いてくださいー!
 合宿といえば・・・・、みなさん何を思い浮かべますか?」


「海ぃー!」  「キスー!!」  「お酒ー!!!」

それぞれのテーブルからいろんな声が聞こえる。


「いやいや、大事なこと忘れてません?
 我らサークルの夏合宿といえば!
 そう、ナースによる看病でしょ!!!
 今日はなんと、1年生のなつみちゃんがみんなの介抱をしてくれますー!」


「「うぉぉー!翔太やるー!」」


「「なつみちゃんかわいいー!!!」」


案の定、なつみのナース姿にみんな大盛り上がりだ。

3年生の先輩たちはなつみを取り囲みちょっかいを出している。


宴会も無事盛り上がり、
安堵した俺はしばらく隣の部屋でゆっくりすることにした。
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