君想ふ花

一通り盛り上がり、静けさがみえた頃、
俺はもう一度会場へ戻った。

おいおい、ここで寝るなよな・・・。
5、6人が部屋に戻れずそのまま横たわっていた。

ったく、ゴミくらい片付けろよー。

内心そんなことを思いながらも、
俺は片付けを始めた。


すると後ろから

「先輩、ありがとうございます。
 私も手伝います」

と、なつみが声をかけてきた。

「みんなもう寝ちゃって、寂しいんです(笑)
 先輩って、チャラそうに見えて、ちゃんとしてるんですね(笑)」

「おいおい、失礼だろ(笑)」

笑ったなつみの顔はとても可愛くて、
俺は照れを隠すようにゴミを拾った。

「なつみちゃん、ありがとうね、おかげで早く終わって助かった!」

「いえ、私も一人で寂しかったので、先輩とお話ができてよかったです」

そういって、なつみは部屋に入ろうとした。

俺はそんななつみを見送りながら、
まだ離れたくない、もう少し一緒にいたいと思った。


「あっ・・・!」


気がついたら声が出ていた。


なつみは振り返り、「?」な表情を浮かべている。

「どうかしましたか?」


「・・・いや、なんでもない。
 明日のバス楽しもうな!」

もう少し話そう、その一言は言えず、
胸の中にしまった。

「はい! 
 明日は寝坊、しないでくださいね!」

そういってなつみは部屋に入って行った。

こんな気持ちは初めてだった。

そう、俺はもうこの時から
なつみに恋をしていたんだ。
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