君想ふ花

「なつみぃーっ!おはよう!!」

そう叫びながら私に向かってダイブしてきたのは
凛さんだ。

「凛さん今日も元気ですね〜〜。
今日はどこの会場ですか?」

うちの式場には5つの会場がある。
どこにアサインされるかは
ギリギリまでわからないことがほとんどだ。

「えっとねー、今日は6階だよ!
なつみは今日龍さんと同じ会場だよね?!
いいなあ〜〜。
あとで見に行くねっ!!」

あ、そうなんだ。
アサインをよく見ない私はその時初めて
龍さんと一緒だということを知った。

「凛さん、私じゃなくて、
龍さんに会いたいだけじゃないですか(笑)
5階の会場キツくて嫌なんで、代わりたいくらいです(笑)」

5階は会場が広く、できるメンバーでないと
上手くまわらないことで有名な会場なのだ。

「いや、私明日5階だから今日は遠慮しとく!笑
じゃあまたあとでね〜〜」

そういって凛さんは6階へ向かっていった。

それにしても入社1週間で5階を任されるなんて
龍さんは仕事ができる社員なのかもしれない。

初めてのチームに珍しくワクワクしながら
私も会場へ向かった。

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