君想ふ花

うちの会場が最後だったようで、
オフィスには雄太さんと龍さんの二人しかいなかった。

「おお!なつみ!ともき!待ってたよー。
いつもの一風行こうぜ〜〜」

今日の大型披露宴を無事に終えたからか
雄太さんのテンションは高めだ。


ラーメンを待っている間、
話題は龍さんの恋愛についてになった。

「龍さんって、彼女いるんすか?」

アルバイト女子みんなが気になるであろう質問を
ともきがズバッと聞いた。

「今はいないよ。
2年くらい付き合ってた彼女に振られちゃったんだよねー(笑)」

そう言って笑う龍さんの顔はどこか寂しそうに見えた。

「なつみは?彼氏とかいるの?」

ボーッとしていると龍さんから私に話が飛んできた。

「いますよー。一応。」

「なつみ、彼氏と長いよね?」

雄太さんが続ける。

「そうですね、ここで働きだした1ヶ月後くらいに
付き合い始めたので、ほぼここと同じくらいですね(笑)」

「ってことはここの人なの?」

あ、そっか。
そう聞こえちゃうか。

そのつもりではなかったが、
バイトの人だと勘違いされたらしい。

「違います!学校の先輩ですよー。
まあ、最近はすれ違ってばっかりなんですけど。」

はあ〜、自分で言って悲しくなる。

実は最近彼氏の浮気が発覚したところなのだ。

「なつさん美人なのに男運ないんすよ(笑)
彼氏が浮気してたんす。」

彼氏の浮気について知っている
ともきはフォローしてくれた。
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