抱き締めたら止まらない~上司の溺愛につきご注意下さい~
「今回の不手際は全て早乙女にある。渡辺の行動は的確だった。岡崎さまも、とてもいい子だと言ってたぞ」
「…私は何も」
「頭に血が昇っていて、酷いことを言った。申し訳ないと伝えてほしいと言ってた」
「…グスッ」
何も言えなくて、私はただ鼻をすすった。
「たくっ。それくらいで泣くな」
俯く私を抱き寄せた。
あんまり優しくされると、尚更涙は止まりません。
私は、しばらくなき続けて、ハッとする。
「すびばせん!ワイシャツに口紅が」
鼻が詰まって言葉がおかしくなる。
それを聞いた藍原は声をあげて笑い出す。
「な、何が可笑しいんですか?!」
「いや、あんまり渡辺が可愛いから」
「?!かわっ?!!」
赤面する私の頭を藍原はポンポンと軽く叩いた。
「泣き止んだな」
「…ぁ」
「ワイシャツは、替えがあるから気にするな。それより、渡辺は崩れた化粧を直す方が賢明だな」
その言葉に、バッと顔を隠す。
泣きじゃくった為、化粧は総崩れ。
私は逃げるように応接室を出ていった。
途中、光にぶつかった。話しはしないといけないが、今はこの顔を見られたくない私は頭だけ下げ、化粧室に飛び込んだ。
応接室に入った光は、事のなり行きを藍原から聞き、謝罪した。
「…藍原部長」
「なんだ?」
「ワイシャ…いえ、何でもありません。失礼します」
最後まで言うことはできなかった。
ワイシャツに口紅が付いてるなんて。
鉄壁で完璧な藍原飛鳥。
ワイシャツに口紅なんて…
光はハッとした。
明日香の慌てよう。
二人の間で何かあったに違いない。
…光はそれが面白くなかった。
「…私は何も」
「頭に血が昇っていて、酷いことを言った。申し訳ないと伝えてほしいと言ってた」
「…グスッ」
何も言えなくて、私はただ鼻をすすった。
「たくっ。それくらいで泣くな」
俯く私を抱き寄せた。
あんまり優しくされると、尚更涙は止まりません。
私は、しばらくなき続けて、ハッとする。
「すびばせん!ワイシャツに口紅が」
鼻が詰まって言葉がおかしくなる。
それを聞いた藍原は声をあげて笑い出す。
「な、何が可笑しいんですか?!」
「いや、あんまり渡辺が可愛いから」
「?!かわっ?!!」
赤面する私の頭を藍原はポンポンと軽く叩いた。
「泣き止んだな」
「…ぁ」
「ワイシャツは、替えがあるから気にするな。それより、渡辺は崩れた化粧を直す方が賢明だな」
その言葉に、バッと顔を隠す。
泣きじゃくった為、化粧は総崩れ。
私は逃げるように応接室を出ていった。
途中、光にぶつかった。話しはしないといけないが、今はこの顔を見られたくない私は頭だけ下げ、化粧室に飛び込んだ。
応接室に入った光は、事のなり行きを藍原から聞き、謝罪した。
「…藍原部長」
「なんだ?」
「ワイシャ…いえ、何でもありません。失礼します」
最後まで言うことはできなかった。
ワイシャツに口紅が付いてるなんて。
鉄壁で完璧な藍原飛鳥。
ワイシャツに口紅なんて…
光はハッとした。
明日香の慌てよう。
二人の間で何かあったに違いない。
…光はそれが面白くなかった。