抱き締めたら止まらない~上司の溺愛につきご注意下さい~
どうにかして断らなくては。

光の事は勿論いい先輩だと思っているし、一緒に食事をするくらい、どうと言うことはない。

でもやっぱり、二人でいるところを見られるのはあまりいいものではない。

それに、何より、今は誰かと食事に行ってる場合じゃない。

アパートの片付けもしなくてはならないし、次の住む場所も見つけなければならないし。

藍原の厚意で、居候させてもらってるので、そのご恩も返さなければならない。

「…よし、デスクに張り紙して、帰ろう」

光は今、外回りに出ている。帰社したらこれは必ず見てくれるだろう。

スマホに連絡することも可能だが、実は、光の連絡先を知らないのだ。

隣の席だというだけで、社外で会うことなんて無かったし、そこまで親しくなんてしたことなかったから。

私は張り付くメモに謝罪文をかき、定時に仕事を終わらせた私は、早々に会社を出た。

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