抱き締めたら止まらない~上司の溺愛につきご注意下さい~
3.鬼上司とエースの想い
次の日。

朝はやっぱり別々に出社して、私はいつものルーティーンを終え、自分のデスクについた。

「…おはよ、明日香ちゃん」
「…あ、おはようございます、早乙女さん昨日は本当にすみませんでした」

「…ううん、仕事なんだから、仕方ないよ」

光はそう言って、微笑むと、鞄を置き、給湯室に向かって、コーヒーを淹れてくると、椅子に座った。

パソコン操作を始めると、また、私に声をかけてきた。



「明日香ちゃん」
「どうしました?」

「昨日さ」
「はい」

「藍原部長と一緒に居たよね」
「そうですね。遅くまで仕事が終わらなかったので」

突然何を言い出すのかと思ったら。

「いや、そうじゃなくて」
「何がおっしゃりたいんですか」

なんだか少しイラついた。

「××って店で、二人で食事してたね。すごく楽しそうに」

…見られていた?!

「あ、あー。あれはですね、遅くまでかかったからって、藍原部長が一人飯は嫌だからって言うもので、仕方なく」

すみません、藍原部長。でも、嘘も方便って言いますよね。


「そう、じゃあ、今度は俺とも二人で行こうね」
「…ぜひ」

これでもう、本当に断れなくなった。私が、藍原のマンションに居候してるのだけは、バレる訳にはいかない。
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