抱き締めたら止まらない~上司の溺愛につきご注意下さい~
「藍原部長」
「なんだ?」

私が眠る布団を敷いてくれる藍原に声をかけた。

「私、こんなに甘やかされていて、いいんでしょうか?」

布団を敷き終えた藍原は、私の目の前に座った。

「どうした、急に?」
「引っ越し費用は貯まってきてるんですけど、こんなに甘やかされていたら引っ越せなくなるかも」

そう言って、困ったように笑うと、藍原もフッと笑って私の頭をポンポンとした。

「今は、甘やかされていたらいいんじゃないか?」
「え」

「その手の怪我じゃ、何をするにも不便だろ?治るまでは、甘えてれば良い」

「…部長」
「ここにいたければ好きなだけ居ればいいし。気楽な気持ちでいろよ」

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