抱き締めたら止まらない~上司の溺愛につきご注意下さい~
のそのそと起き上がった藍原は、やっぱり体がバキバキなのか、うーん、何度か背伸びしたり、体を捻ったり。

「…すみません」

私が寝るまで付き合わせてしまったのが一番の原因なのだ。だから、素直に謝罪する。

「謝る必要はない」
「でも」

「…俺が、渡辺の寝顔を見ていたかったから」
「…ぇ」

藍原の言葉に、目を丸くする。

「あんまり可愛い寝顔だったもんだから、いつまでも見ていたら、いつの間にか寝てた」

その言葉に、赤面する。

そんな私を見て、藍原は、フッと笑みを浮かべると立ち上がった。

…今日はお休みだ。こんなに早く起きる必要はなかったのに、起きてしまったものだから、今更寝れるはずもなく。

のそのそと私も起きて、身支度を始めた。
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