溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
「……片瀬くんのこと、好きでいて……いいの?」
かすれる声で尋ねると、片瀬の瞳が微かに揺れた。
「あんなひどいことをした俺のことを好きでいてくれるの?」
頬を包み込まれたまま、小さく頷く。
「片瀬くんが好き……」
そう言うので精一杯だった。はっきり口にした途端、閉じ込めていた心から溢れたその想いが優花の身体を包み込んでいく。
「……やばいな。こんなに嬉しいのは初めてだよ」
困ったように笑った片瀬の顔が近づく。甘く見つめる眼差しにとらえられ、鼓動がぐんぐん加速していく。
嬉しいのは片瀬だけではない。まさか想いが通じ合うと思ってもいなかった優花も、心を躍らせていた。
そっと重ねられた唇から片瀬の愛を感じて、それだけで天にも昇る心地だった。