溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
「私は、トライリンクの発展を願っているのです」
倉田の表情がかすかに明るいものになる。自分のしていることは決して間違っていないと胸を張った。
「私はM&Aに大賛成なのですが、片瀬が首を縦に振らないので、こうしてあなたたに真実をばらして結婚に近づけようと考えました」
倉田はあっけらかんと白状した。
「愛されてもいないのに、あなたはこのまま片瀬と一緒に居続けますか?」
倉田にストレートパンチをお見舞いされたようだった。厳しい言葉を浴びせられ、優花は目の前が暗くなる思いがする。
自分は愛されてない。片瀬が囁く愛は目くらまし。
それはどこかでわかっていたことだった。再会したばかりの頃は、片瀬が自分のことを好きになるはずがないと肝に銘じていたはずだった。
でも、たとえそれが嘘の言葉だったとしても、優花がそれで幸せだったのも確か。
それならば、優花の答えはひとつ。