溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~

「どうかした?」


後ろから顔を覗き込まれてドキッとする。


「なにか悩んでる?」


続けざまに聞かれて身体が強張った。心の中を読まれたかも!?と一瞬焦る。


「どれどれ? どういうことを勉強してるのかな?」
「え、あ、あぁ、えっと……」


〝悩み〟が簿記のことを差していると気づき、ふっと力が抜けた。


「〝次の文章が正しければ○、誤っていれば×〟か。〝決算時に所有しているその他有価証券は、時価で評価し、評価差額は当期の損益としなければならない〟」


片瀬が問題を読み、「うーん」と腕組みをする。


「これは×だな。期末で時価評価はされるけど、直ちに売却・換金するものじゃないから、評価差額はB/Sの純資産の部に計上するはず」
< 129 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop