溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
「でも片瀬くんはその結婚に乗り気じゃないから、その人への当てつけのために私をここへ置いたんだよね?」
片瀬の瞳が揺れる。動揺しているのは明らかだった。
「……誰からそんな話を?」
わずかに声も震えていた。
「私のことを好きだと言ったのも、私をここへ留まらせるため。私を都合よく使いたかったから。好きって言ったのも嘘。……そうなんだよね?」
片瀬の質問には答えなかった。優花の声まで上ずって震える。
(お願い。違うって言って……)
自分の諦めの悪さが恨めしい。
「優花、それは……」
片瀬は苦しそうに顔を歪めたが、それ以上は唇を噛みしめるだけ。