溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~

「いいか、圭人、恋愛には誠実さが一番だ」


大吾は片瀬の顔の前に人差し指を立て、力説を始める。


「彼女に圭人の本気度を示すしか手立てはないだろう」
「……俺の本気度? なんだそれ」


訝しげに聞き返す片瀬に大吾が深く頷く。


「今まで恋愛に不誠実だった圭人ができる、最大かつ最高の〝本気〟だ」


大吾に真剣な眼差しで言われ、片瀬はゆっくりと頭と心に問いかける。

(俺ができる、最大で最高の本気……?)

片瀬はカウンターに両肘を突いて手を組み、じっくりと考え始めた。


「あっ、それより先に倉田って秘書を納得させる必要があるな。また余計な茶々を入れられたくなかったらな」


大吾は口角を上げてニッと笑った。
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