溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
最大で最高の本気


朝食の準備ができたところで、優花はまだ眠る亜衣を起こしに向かった。
亜衣の部屋に居候するようになって三週間。せめてものお返しにと、朝食の準備をさせてもらっている。

片瀬とはあれきり。電話の一本すらかかってこない。
倉田の言う通り、片瀬にとって優花は都合のいい女だったのだ。

亜衣の部屋に転がり込んで二日目くらいまでは、片瀬から連絡がくるかもしれないとかすかな期待をもっていたが、さすがに三日が経つ頃には完全に諦められるようになっていた。
守谷会計事務所とトライリンクとの繋がりはこれからもあるだろうが、片瀬と優花に将来はない。


「わぁ、おいしそう」


顔を洗ってテーブルについた亜衣は、嬉しそうに箸を手にした。
亜衣は、チーズとハムのホットサンドにグリーンサラダというシンプルな朝食でも喜んでくれるからありがたい。


「優花をお嫁さんにしたいよ、私」


そのセリフも毎朝のこと。そしてその後は、「僕と結婚してくれませんか?」とおどけるのだ。
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