溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
「優花のことが好きだ。だから結婚したい」
ストレートな言葉で真っすぐ見つめられ、息が止まる思いがする。
「聞こえなかった?」
優花がなにひとつ反応できずにいると、片瀬は困ったように笑いながらそっと優花を引き寄せた。
「優花のことが好きなんだ。結婚しよう」
片瀬が優花の耳もとで、ゆっくり吐息交じりの小さな声で囁く。
二度言われた言葉が優花の頭の中でぐるぐると回り、何度もこだまする。片瀬からそんなことを言われる未来を誰が予想したか。
「本当はもっと早く迎えに来たかったんだけど、いろんなことに手間取ってね。もう倉田が余計な横やりを入れてくることも、結婚を持ち掛けてきた令嬢が周りをちょろちょろすることもない。優花が不安になる要素は全部潰したよ」
「……本気で私と結婚するの?」