溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
「でも……」
ただでこんなに素敵なマンションに住まわせてもらっていいのだろうか。
今日の優花は今さらなことばかりだ。
「そこまで悩むのなら、本当のことを言っちゃおうかな」
優花が食い下がっていると、片瀬はふぅと長く息を吐いて肩を軽く上下させる。
「本当の、こと?」
片瀬は足を一歩踏み出して優花に近づいた。
「実は俺、高校生のとき、宮岡さんのことが好きだったんだよね」
「……え?」
あまりにも唐突に、耳を疑うことを片瀬が言う。いや、優花には言ったように聞こえた。ものすごく軽い調子だった。
時が止まってしまったかのように優花が固まる。
「聞こえなかった?」