溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
思わぬことを聞かされ、鼓動がどんどん速まる。
「宮岡さんの放つ、凛とした空気感が好きだった。それは今も変わらないね」
優花は首をふるふると小さく横に振った。
そんなことを誰かに言われたことは、今まで一度もない。
「今だからこうして言えるけど、高校生のときは宮岡さんに告白するわけにはいかなかったんだ」
どうして?と小首を傾げる優花に、片瀬が目の端に笑みを浮かべる。
「宮岡さんを守るためにね」
「私を……守る?」
意味がわからず聞き返した。
「宮岡さんが嫌な思いをするのは避けたかったんだ。だから自分の気持ちは押し殺すしかなかったよ」
そういえば、と思い出したことがある。