溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
おはようやおやすみの挨拶にキスとハグが付くのは当たり前で、その度に優花が戸惑って真っ赤になるのも恒例だった。
「あの……もう大丈夫だよ」
いつまでも握られていた手を引き抜こうとしたが、逆に引き寄せられ、片瀬に抱きしめられてしまった。
「片瀬くん、ワイシャツに口紅が付いちゃう!」
すでにスーツに着替えていた片瀬の腕の中で、軽く胸をトントンする。
「それはシャツじゃなく、俺の唇にキスしたいってこと?」
「ち、違うから……!」
優花は力任せに片瀬の腕から逃れるが、あっけなく捕まえられ、唇同士が触れ合う。
片瀬はいたずらっぽく微笑んだかと思えば、「おはよ、優花」とさらに頬にキスをした。
優花が照れて顔を真っ赤にすると、片瀬は「かわいい」を連発。
恋愛をまったく知らない優花には、片瀬との生活のなにからなにまでドキドキの連続で、どう対処したらいいのか全然わからない。