溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
「どこにいるの?って顔だね」
片瀬が笑みを零す。
「……うん、どこ?」
「花いかだのオーベルジュ」
「えっ、どうして?」
思いも寄らない片瀬の返答にすぐさま聞き返す。身体こそ動かないが、あまりの驚きでベッドの上で大きく飛び跳ねた感覚だ。
「やっぱり覚えてないのか」
片瀬は落胆するように肩を落とし、眉尻を下げた。
そんな表情をされるとは思いもせず、優花はヒヤリとする。
「……私、なにかしたの?」
「帰らずにここに泊まりたいって」
衝撃的な言葉が片瀬の口から飛び出した。
(泊まりたいって……私がそんなことを!?)
優花が口を半開きにして目を瞬かせる。