溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
「人気のオーベルジュだから無理だと思ったんだけど、依子さんに聞いたら、たまたまキャンセルが入って空きがあるって言うからさ。それなら泊まろうかって」
まさか自分がそんなことを片瀬に言うとは思いもせず、優花は身体をわななかせた。
テンションが上がり気分が良くなったのかもしれないが、あまりにも無茶苦茶すぎる。アルコールだけに全責任を負わせるのは、いくらなんでも無責任だろう。
「それがどういう意味かわかってる?って優花に聞いたら、うんって」
ベッドに浅く腰をかけていた片瀬は、座り直して優花に身体を向けた。じりっと間合いを詰められ、ドキッとさせられる。
「意味、酔いが醒めた今でもわかってるよね?」
片瀬はそれまでの優しげな表情を消し、真剣でいてどこか艶のある目で優花を見つめた。
一筋だけ額にかかった髪がなんとも言えずセクシーで、鼓動が否応なしに加速していく。優花は身動きもできずに、ただその瞳に囚われていた。
片瀬と一緒にいるのは危険。そうわかっていたはずなのに。