この気持ち、君に伝えてもいいですか?
わたし達はローファーを履いたまま校舎へと入り、そのままエレベーターで3階へと向かう。

わたし達のクラス2-Cは、校舎西棟3階にあるの。

校門を抜けてからここまで着くのにおよそ15分はかかってる。

早めに行動するのに限るよね、みんなもそうでしょう?


「はーあ、やっと着いたー! 長かったー」

「美南はいつもギリギリすぎるの」


わたし達は教室に入るなり、窓際の前後の席に着いた。

美南とわたしは教室の中で席も近い。

高校1年生から、今までずっと近い席。

席替えの神様が、わたし達を引き付けているのかもしれない。


「ねえ、優奈。今日も車で学校来たんだけど、窓からイケメンな男子生徒を見ちゃったんだ! あー。いいな、共学は。羨ましい!」

「ふふ。もう、美南ってばその話ばっか」


毎朝、美南は学校着くなりこんな話ばっか。

可笑しくって、いつも笑っちゃう。


「笑わないで、私は真剣よ。あーもし共学だったら、私だって今頃……」

「女子校でもいいじゃない。それに素敵な人は必ず現れてくれるって、わたしは信じてる」


そんなことを話していると、ガラララ、と教室のドアが開いた。

教室にいる子達が一斉にドアの方へ顔を向けた。

なんだろう、彼女が教室に入ってくると、みんなが反応しちゃうんだよね。



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