風が吹いたら
「だから怒らずに聞けって言っただろ?いいか、

これをよく見てみろ。」

支配人がそう言うと、またあの映像が頭の中で

浮き上がってきた。

でも今回は、僕の生い立ちでもなく、みーの泣いている

顔でもなかった。

その映像には僕の知らない人が沢山いて、

みーのように死んだ人に対して嘆き悲しんでいる姿が

多く映し出され、そして僕のように死んだ者は

その姿を見てもどうする事も出来ずに、曇った顔で

心配だけしている。

そこには人だけでなく、犬や猫もいてペットロスに

なった飼い主を心配している動物もたくさんみられた。

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